前回の記事(【海外の反応】ソードアート・オンライン アリシゼーション 第6話「アリシゼーション計画」)を補完するような内容です。あれから気になった書き込みがあったのでもう少し翻訳してみました。
1,海外の反応
まったく・・あのフラクトライトのコピーは観ていて辛くなるほど重い体験だったな。そうでもなかったという視聴者もいるかもしれないが、僕はアスナと同じようなリアクションを取ってしまった。自分自身が本当に存在しているのかわからないという主題は本当に苦痛であり憂鬱であり、紛れもない自殺的な主題でさえある。このアニメ化には非常に強い説得力を感じた、小説を読んだ時には感じなかったんだけど、今回のには心を打ちのめされたよ...
今回のエピソードに関して僕が本当に気に入ってるところは、多くの説明を盛り込むことによって、ライトノベルでかなり長かったチャプターを、この2エピソードになんとか収めたところだ。この回は、全てを視聴者にとって分かりやすく説明している。アリシゼーションの目的全体とキリトの治療がこの施設で行われている理由を明らかにした。視聴者の中には’なぜこの施設が海のど真ん中にあるのか’を唯一の疑問をとして持っている人もいるかもしれないが、それについては’最高機密のプロジェクトだから、誰も容易にアクセス可能な場所にいようとは考えない’という理由付けで納得できるだろう。彼らの本質的な目的は、新しい情報に対応することができる人工知能兵士によって完璧な’兵器’を作ることだ。
このエピソードには良い点がもう1つある、それはトップダウン型人工知能の抱える問題点を説明しているところだ。この方法で構築された全ての人工知能にとって、プログラミングの段階で準備されていない、新しい刺激に対応できるようなアルゴリズムを作成することは圧倒的に困難なこととなる。このことから考えるにボトムアップ型の人工知能の開発は実に革新的なものだ。ラースが作り出そうとしている人工知能は人間の知能よりも優れているとまではいかないまでも、それと同等レベルのものだ。それは基本的に再現性のある人間だ、要求に応じて訓練することができ、それぞれが同じ水準の能力を持ち、理解力を持ち、新しい現象への対応力を持っている。これによって人間が軍隊に入る必要性が全くなくなるんだ。
それと、このエピソードにおける道徳の問題も実際かなり複雑だよ。「それは作り上げられた単なる人工知能に過ぎない、10万の人工知能の魂は1人の人間の価値にさえ及ばない」とする菊岡の意見をあなたは正しいと主張するかもしれない、しかしこの人工知能はもはや人工知能ではないという領域にまで踏み込み始めている。それは文字通り人間の魂の複製として知能を再現されているから、同じ能力を共有している。それはつまり学習障害を持った子供の心を治療しているようなものだ、そして彼らを殺すんだ。その違いは ’作りあげた’ のか ’集めてきた’ のかということだけだ、僕がそれらの言葉をクォテーションで囲んだのは、その人工知能が全て人々の '魂' から成り立っているからだよ。
誰かと何時間も語り合えるような本当に深いコンセプトだよ。仮に本当に誰かの存在を丸々コピーした場合、その人工知能にはある程度の権利の所有が認められるべきだ、というのが僕の意見だよ、あの比嘉の人工知能のシーンを見ればアスナの意見ももっともだと感じるはずだ。
神代の犯した罪はもちろん、アスナが彼女の言葉に続いて話したことも全て忘れることなんてできない。あのことに強い憎しみを感じていないということに関しては彼女は正しい。もちろんひどい犯罪ではあったが、彼女はそこで生活し、そのおかげでキリトというソウルメイトを見つけることができた。しかしあなたが犯した 犯罪 / 過ち が何であれ、それについて後悔を抱いても、あなたは過去に戻って出来事を変えることはできない。残りの人生を掛けて許しを探したとしても、過去の過ちを魔法のように消し去ることはできない。やったことを全て受け入れて生きていくしかないんだ。それが自身の罪と自責の念のジレンマを引き起こす。あの時ああしていればとずっと考えつづけるのは、あなた自身の精神を破滅させてしまうだけで何の意味もない。許しを得るのが最も困難な人は...神代あなた自身だ、あんな状況でも彼女のことを愛していた人を彼女は殺せなかった。SAOでの出来事によって引き起こされた被害の大部分を彼女は防ぎ得ただろうか?ああ、だけどそれは彼女のせいだろうか?あそこでの全ての人達の命に対して責任を感じるべきだろうか?違う、僕はそんなこと言わない。
多くの側面を持ったヘビーなエピソードだ、そしてそれは詳細でもある。それは素晴らしいエフェクトによって、全ての感情と道徳的なジレンマをライトノベルから届けてくれた。いつものようにアニメーションも良く、音楽の使い方も素晴らしい。今回は文句の付け所が無かったよ!ーー長文のため割愛
2,海外の反応
>>まったく・・あのフラクトライトのコピーは観ていて辛くなるほど重い体験だったな。そうでもなかったという視聴者もいるかもしれないが、僕はアスナを同じようなリアクションを取ってしまった。自分自身が本当に存在しているのかわからないという主題は本当に苦痛であり憂鬱であり、紛れもない自殺的な主題でさえある。このアニメ化には非常に強い説得力を感じた、小説を読んだ時には感じなかったんだけど、今回のには心を打ちのめされたよ...
これについてよく考えたんだけど、将来”コピー”を作ったら自分が本物だと主張しないといけなくなる(所有権がどちらにあるのか、家族との関係、等々の問題を含めて)、だから自分ならこれと同じ反応をしてしまうことはないとは言い切れないよね。自分が拘束されているという事実を忘れていられたとしても、もはや身体さえ存在していないんだ、暗闇の中で実験の対象として扱われている。もし自分の身がそんな状況に置かれていると知ったら間違いなく怒り狂うだろうな。ーーi have thought about this enough that i would consider a future "copy" to have equal claim to be who i currently am (including ownership of possessions, relationships to family, etc), so i suspect i wouldn't react the same way. however even if you get past that aspect the fact that he's trapped, no longer has a body, and is being used as an object in experiments is pretty dark. when i figured that part out i would definitely be freaking out.
3,海外の反応
>>2
どこかノーム・チョムスキーの話を感じる部分があるな...ーーi feel like there's a noam chomsky quote in there somewhere...
註:ノーム・チョムスキーとは、アメリカの哲学者、言語学者、認知科学者、論理学者
管理人の反応
かなり長文で議論が繰り広げられていました。
まだまだ続いているので、時間があるときに翻訳して記事に追加するかもしれません。
ソードアート・オンラインは中二病感が受け付けないという人がいますが、純粋にSF作品として良く出ているので今後のエピソードでもこうした議論が巻き起こることが予想されます。
前回のコメント
管理人の反応
前の記事で、私の感想として「比嘉のコピーが自身をコピーだと認識できないのはおかしい」「キリトがこのアリシゼーション計画の協力者に選ばれた理由が希薄だ」という旨のことを書いたのですがそれに対するコメントをいくつか頂きました。どうやらアニメ版は原作から情報がかなり削られているようで、そこを補完する内容でした。
特に菊岡がキリトを選んだ理由については説得力がありましたし、アニメしか観ていない方は、以下にそのままコピペしておきますので目を通しておくといいかと思います。
コメントしてくださった方々にはこの場を借りて感謝申し上げます。
1. 名無しさん 2018年11月14日 12:28
アニメでは語られていなかったが菊岡がキリトを選んだ理由は、
①仮想空間なれしている人間(現実と仮想空間では重力が若干違っており、ラーススタッフが子供の状態にして入った場合その違和感のせいで、内気、表に出ない、他人と関わらない状態が発生した。)
②菊岡の知り合いである(SAOサバイバーなら誰でもいいが交流があるのはキリトだけ)
③情報が洩れても身内に産業スパイがいないことは確実(ALO時アスナの関係者の須郷がアメリカに技術を売り込もうとしたが、保釈後海外逃亡しようとしたので現在服役中) と割と合理的に判断されている。
3. 名無しさん 2018年11月14日 19:18
アニメだとカットされたけど、事前にカウンセリングや同意書を経て「自分がコピーだったとしても取り乱しません」っていう覚悟を決めた比嘉や菊岡自身のコピーを作っても「自分がコピーである」ことに耐えられなかったらしいのよね。 どこまでも完璧に人間を再現できている、完全な人間の精神そのものだからこそ、自分が人間じゃないという宣告に耐えられない。 だってある日突然そんなことを言われても、俺達は自分がコピーだなんて絶対に受け入れられないだろ? それとまったく同じ。
4. 名無しさん 2018年11月14日 21:49キリトが選ばれた理由は彼が禁忌目録ギリギリの行動を多数行っていて周りのユージオやアリスもそれに影響を受けていたという事それがアリシゼーション計画の“臨機応変な対応が出来るAI”を作る事に対して有効だと考えられたためだったと思う
この複雑な思索に満ちた長文をよくぞここまで! 色々と考えさせられる考察でした。
SAOは映像の美しさとアクションとキリト無双にどうしても目が行っていまいますが、個人的には6話がこれまでで最高のエピソードだったと思います。また議論の続きを翻訳して下さったら嬉しいです。ありがとうございました。